『プラットフォーム』&『一瞬の夢』@バウスシアター

4月19日、土曜日。

吉祥寺バウスシアターのクロージング企画のひとつとして、「ジャ・ジャンクー レトロスペクティブ35mm上映」なるものをやっている。去年台湾に行って以来やたら中華圏の文化に興味を持ち出して映画もバンバン見ているし、ジャ・ジャンクーは聞いたことはあるけど見たことがなかったので、この機会にぜひ、と出かける。(閉館までにできるだけバウスという空間で映画を見ときたいってこともある。もちろん閉館してほしくないけど…!)

『プラットフォーム』と『一瞬の夢』。

時にはやさしく時には無情な、「時の流れ」を感じる作品だった。

映画の中に身を委ねるのが心地いいと思えるようなリズムだった。

時間を組み立てる芸術である、「映画」。

その映画世界独自の「時間の流れ」というものをつくることができたなら、その映画は成功だと思う。

そういう意味でジャ・ジャンクーは映画作家として成功している。

映画でも小説でも何でもいいけど、物語の中での「絶望の中にさしこむ一筋の光」的なもの自体には、流行なのか何なのか最近多すぎるしそのだいたいがやすっぽくてうすっぺらいから辟易しているのだけれど、本当に巧みなものには感動するんだ、ということを思い出した。

『一瞬の夢』のラストカットのカメラ(柱に手錠で繋がれた主人公を人々がじろじろ見る、主人公の視点ショット)には目を見張った。そして、思い出した、これは見たことがある。たぶん、ここだけ、映像身体学科のなにかの授業で見たんだと思う。

ジャ監督(ジャンクー監督というべき?)はドキュメンタリーの勉強もしていたとか(そういう映画もある)。頷ける出来である。