『地獄でなぜ悪い』@新文芸坐
4月13日、日曜日。
ずっとスクリーンで見たいと思いつつチャンスを逃し続けてきた『地獄でなぜ悪い』をようやく見ることができた。
端的な感想はというと…うーん。期待してた割にはいまひとつだったな…。
見た直後はまあけっこう飽きるけどそれなりに面白かったかな、って思おうとしたけど、今(4月19日土曜日)思い返すと面白いという印象がまるで残ってない。
以下は見終わった直後のtwitterのつぶやき。
長谷川博己のブレなさはすごいと思った。
溢れるばかりの映画愛は伝わってきたし笑っちゃうところは何ヵ所もあったけど、途中から驚きとか新しい展開とかまったくなくてしつこいというか、全体的にはちょっと飽きたかなあ~。緩急がなかった。愛のむきだしみたいなジェットコースタームービーの面白さはなかった。
「映画のために死ねるやつはしつこい」ってことを表現するのに、あのくどさはいいのかも。あのしつこさが地獄ってことか。子役と堤真一の邂逅シーンはよかった。血の海に真っ白いワンピースが映える。監督の妻がまたエロい役で出ててそこはにやにやしてしまった。
中学生だか高校生だかの映画バカ仲間パートはよかった。最初に不良のケンカにカメラを向けるところはすこし感動すらした。なぜか原一男のゆきゆきて神軍や森達也のドキュメンタリーを連想。人としては倫理的には止めたいが、映画作家としては撮りたい、というアンビバレンツな感情。
とはいっても、劇中の平田は迷うこともなく撮りたいものを追いかけるのですが。なんとなく「死ね死ねシネマ」を思い出した。映画づくりへの執念は死ね死ね~のほうがずっと凄いが。
ってな感じ。
なんか、開始10分くらいで・・・「あれ?なんか退屈だなあ・・・いや、でも面白くなるだろ・・・」って思ってがんばって見続けたのに結局面白くならないっていうパターンだった。
映画を制作しようとしたことがある人には「うんうんわかるわかる」という部分があって、そこは部分的には面白いんだけど、それ以外の人には全然だろうな、て。
なんで飽きたのかなあ・・・殺陣がとにかく冗長に感じられたんだよね・・・それと、あの歌がしつこかった。ぎりぎり歯ぎしりレッツフラーイってやつ。飽きると途中から笑えなくなる。もういいよってなっちゃう。
國村準さん好きだし、よくなりそうな俳優がいっぱい出てんのになあ。
二階堂ふみの演技はよかったから、ガラスを口に含んだキスとかとても印象に残る…セクシー路線もいけるのか!…彼女だけが目当てならまあ楽しめるだろう。
国際賞などで名声を得るかなり前に書かれた脚本らしくどうしてもつくりたかった作品らしい。観客のことを考えるよりもやりたいことを貫いたんだろう。そのへんは潔いと思う。ただ、これをベースで出してくるとたぶんあまり面白いと思えないので、また『愛のむきだし』みたいなエンタメ頼むよって感じ…。でも実は園監督作品あまり見られてないからどういうのが園さんの作風かってあんまりわかってないかも。『愛のむきだし』は飽きないし最初の園子温だったしかなり衝撃で面白かったんだよね。見たのは今回で『恋の罪』に次ぐ3つ目なんだけど、『冷たい熱帯魚』『ヒミズ』『自殺サークル』あたりは見たいと思っている。
映画終わった後、マッシュマンズカフェに行った。知り合いの編集者Hさんに学生の頃連れていっていただいたきり、2度目だけど、とても居心地がいい店だな、と思った。