『ブランカニエベス』@目黒シネマ
2014年、3月25日、火曜日。
仕事後、1人で。
スペインのモノクロサイレント映画。(といっても去年の作品だよ。ゴヤ賞総なめだとか。)
白雪姫の物語を現代でやってみて、その姫が闘牛士だったら?というストーリー。
(といっても、舞台はサイレント映画の黄金期1920年代あたり)
すんげーエモーショナルだった。
役者の顔の力ってすごいのね。
というか、サイレントの場合、顔の力の差が出ちゃうから。
学生のとき受けた講義の中で、画面に大写しになるリリアン・ギッシュを見るだけで涙が出る、と言っていた大学教授を思い出す。
とにかく、子役が魅力的だった。
『ミツバチのささやき』の系譜かな、スペインの子役ってすごいのかな。
悪役も魅力的だったよ。
魔女というか、悪女ね。
『天国の口、終わりの楽園。』や『パンズ・ラビリンス』ではいい人の役だった女優。
魔法使えるわけじゃないから、非常に人間臭くて…
古典的ないじめをやるわけですよ…
主人公には堪え難いトラウマでしょうが、あのニワトリのくだりは、映像的にはとても面白かった。
7人のこびとたちもチャーミング。
特に白雪姫に恋するお兄さん、かわいいのだ。
こびとってディズニーアニメだとただかわいい感じだけど、実写にすると…小人だもんね…監督は「フリークス」に着想を得たそうです。
本家本元の「フリークス」そういえば見てないなあ…見なきゃなあ、と思う。
終わり方も好きだったよ。甘くないんだ人生は。でも、悪い終わり方じゃないから。
映像はうつくしく、緩急のある音楽も最高でした。
『アーティスト』のわかりやすすぎるお涙頂戴感よりいいと思う。
なにより不幸の連続なのがすごいぞ!橋田壽賀子に匹敵するぞ!いじめられ続ける描写だけ切り取ればスペイン版おしんだぞ、これ(笑)
白雪姫と感動的な交流をする偉大な闘牛士であったお父さん役の人って、『バッド・エデュケーション』のイケない神父様だったよ…!後で調べたら。見てから知ってよかった(笑)見る前に知ったら、素直に感動できなかったかも。